左官
左官の概要
さかん
左官の仕事というと、力仕事かとも思われがちです。もちろんそういった側面もあるのですが、技術が向上するにつれ伝統職人的な繊細さも要求されるようになるのです。
左官とは?
左官とは家屋の壁を塗る職人のことです。平安時代に宮殿などを建設したり、修理したりする職人を「さかん」と呼んだことが語源ともいわれています。左官は、住宅を作る際に、コテを使って壁を平らに作ります。また壁だけではなく、玄関などの床などを作るのも左官の仕事です。左官は一般の住宅だけではなく、ビルやマンションの建築にも関わります。建設現場では床や壁をはじめ、天井から階段まで、その作成に左官が活躍するのです。学校や駅などを装飾するのも左官の仕事です。腕のよい左官の場合、お城や伝統的な建築物の修復などに関わることもあるのです。
左官の仕事は壁を塗ることですが、単純な作業ではありません。日本の伝統建築に見られるように、美しく滑らかな壁に仕上げる技術が必要とされます。ベテランとなるほどに、日本の湿度、温度、四季の移り変わりを考慮した上で、丈夫で安全な壁を仕上げるという高度な技術と知識の組み合わせを持つことが求められるのです。そんな高い技術を要求される仕事なので、見習いから一人前になるだけでも5年以上、その上を目指すには10年以上もかかるともいわれています。
さらに現代に入り、建築技法もさまざまに増えているため、新しい知識の吸収も不可欠となります。左官は、古来の伝統的な技術を継承し、日本建築の美しさを守る芸術家的職人であるとともに、現代の住宅やビル、その他身の回りのあらゆる建築物の作成にも関わる、最新技術を持った職人でもあるのです。